人は、生きて、老いて、死んでいく。ただそれだけの人生を、そのままでいいと、とらわれなく感謝してすべてをお任せすれば、人生はそれだけでは終わらない—
詩と対話で綴る仏教的生き方論『いまのあなたのままでいい』(石上智康・大平光代著)より、君津光明寺の石上智康住職による詩をご紹介いたします。

石上智康肖像

君津光明寺 石上智康住職

「いただいているこの命、気をつけて大切に生活し、自分の器量に応じたところで精いっぱいやれば、それでいいのだと思います。ジタバタしてもはじまらない。いや、ジタバタしている『そのままでいい』という覚りの真実に『お任せ』するしか、最後はありません」

生かされている

太陽の光
大気

大地

草木が 生い茂り
鳥や蝶が 舞う

「降りだして 田植えいよいよ にぎやかに」(長山秋生)
天と 地と 水と
その つながりの中で
人も 生きている

受けつがれてきた いのち
父がいて 母がいて
生をうけ
育まれ
はかり知れない つながり
無量の縁に 支えられ
今 ここにいる

今日もまた たくさんの いのちをいただいて 食事がととのい
無事に食べられる
水も 喉を通っていく
その お陰で
今このように 生きている
いのち 在らしめられている

食べて飲むことは 生きる源
ありがたくいただく 毎日の食事
手を合わせ「いただきます」
深くご恩を喜び ありがたくいただく 一日一日のいのち
「お陰さまで ありがとう」

生きていく
自分の器量に応じて 精いっぱい生きていく
生きていく そのままが
生かされている 私

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